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2006年11月26日 (日)

教育基本法改正の論拠

 今回の教育基本法改正の「論拠」は次の三点に集約される。
1.現行法は戦後のどさくさのなかで占領軍から押しつけられたという「押しつけ論」
2.現行法における社会規範の欠落や規定の不備が教育荒廃の原因となっているという「規 範不足論ないしは規定不備論」
3.時代の進展に伴う社会の変化に適切に対応する必要があるという「時代対応論」

 しかし、1については、文科相は今国会での答弁で「日本政府の発意によりまして、帝国議会の審議を経て制定されたもの」であり「押しつけであったから日本にあわないものができたかといえば、必ずしもそうではない」「そういった経緯の中でみずから制定したものという理解」に立つと答弁している。(日本人が戦後、戦前の教育の反省の上に立って、教育の目的を、人格の完成や平和的な国家及び社会の形成者として主体的に行動する国民の育成としたことは、決して「押しつけ」ではなかった。)

 
  次に2については、文科相は、「現行法が起因するというふうに現行法のせいにするわけにはいかぬと思う」「教育基本法の規定それ自体が直ちに現実の諸問題と直結するものではございません」などど答えている。さらに「今日の日本の発展、このような戦後の奇跡といわれるような発展を遂げられたのは、やはり現行教育基本法がその役割を大きく担ってきたというふうに思います」とも答えている。

 こうして、結局、政府がとりうる教育基本法改正の公式見解は、3の「時代対応論」のみ、ということになった。
 しかし、本音のところは「昔の日本の美徳を取り戻すにはどうしたらいいんだ、それは教育ではないか。教育をしっかりさせろ、これを国民の皆さんは強く求めていると思うんですね。それが、今日、この教育基本法を改正せよという国民の大きな期待になっている」(5月26日、文科相)といったところでなないかと思われる。(以上『教職研修』2006.10「考察 教育基本法の改正」市川昭午)」)

 これは、結局1及び2の見解に立つものと思われるが、それが実際の改正案文にどのように反映しているかというと、それは、現行「教育基本法」の第2条「教育の方針」(「教育の目的」を達成するための国及び地方公共団体の義務」を規定した条項)を廃して、「教育の目標」を新設し、20項目に及ぶ「国民が備えるべき資質」を列挙している点に表れている。

 つまり、来るべき新しい時代(?)に対応するためには、昔の日本の美徳(?)を取り戻す必要があり、そのためには今後国民が身につけるべき資質(20項目を超える)を政府が明示しその定着を図っていく必要がある。そのための最も効果的な方法は、それを「教育基本法」に規定することであり、そうした資質を身につけることを国民に義務として課すことである、というものである。

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