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2009年6月16日 (火)

鳩山氏の”正義100連発”の怖さについて

 以下の文章は、竹中平蔵氏の「ポリシー・ウオッチ」のコメント欄に投稿したものです。

  私のこの問題に対する疑問は、鳩山前総務大臣が、今回の日本郵政の宿泊保養施設「かんぽの宿」の一括売却問題で、”おかしなやり方で国民の財産がかすめ取られそうになった”と公言したことについて、私の常識では、人を泥棒扱いした随分ひどい発言だと思うのですが、それに対する政治家の反論がニュース報道であまり見られないのはなぜか、ということです。

  これでは、国民は判断に迷います。あるいは、鳩山氏の指摘する様な正義?にもとる行為が、この売買にからんで為されていたのか、との臆断を国民に抱かせてしまいます。こうした問題については、公開の場での徹底したガチンコ討論をやって欲しいですね。民主社会で大切なことは、国民の前に争点を明らかにすることです。水戸黄門ばりの勧善懲悪劇など政治の世界で見たくはありません。ぜひ”クローズアップ現代”などの時間帯をそのように使っていただきたい。高い金取って、出来レースばっかり見せないで。

 私は、宮崎に住んでいますが、例のシーガイアの話ですが、県や市が共同出資したフェニックスリゾート株式会社は、総投資額約2千億プラス国際観光(フェニックスカントリークラブを含む、黒字企業)の施設を、アメリカの投資会社リップルウッド・ホールディング社に、投資額の1割にも満たない162億円で経営権を売却しました。

  文字通り県民の共有財産であったはずの施設は、こうして外資の手に渡ったわけですが、それでも、宮崎県は、観光立県を目指すためには何としてもシーガイア施設を存続させなければならないということで、シーガイア一連の施設を現状のままの観光施設として存続させると言う条件で、この売却に同意したのです。

 さて、「かんぽの宿」全国72施設の土地・建物代約2400億円を、オリックスへ一括譲渡額約109億円で売却するという話、その入札の前提条件は、従業員約3240人の雇用継続とかんぽの宿の一括譲渡というもの。また、現在、かんぽの宿は年間50億円規模の赤字をだしているとのこと、これらを総合的に勘案した時、この売却条件は、鳩山前総務省が言うように”国民の財産をかすめとる”というほどの悪辣なものだったか。

  日本郵政は、収益力を考えると価格は適正、といっていましたが、その後この売却問題は撤回されたことからすると、鳩山氏の論が正しかったような印象を受けますが、ぜひ、このあたりの議論も今後しっかりやってもらいたいと思います。

 それにしても、以上の様な議論は措くとして、鳩山氏の”正義100連発”ウルトラマンばりのパフォーマンスの奇怪さには驚くほかありません。こうしたパフォーマンスを直後の世論調査では70%を超える人が支持しているとのことですが、はたしてどのような判断根拠に基づくものか。私には、”私は直球しか投げられない人間だ”などという言葉はプロのものとは思えませんが。

  それはおそらく”私は純粋だ”という意味で、そういえば国民の支持が集まると期待しているのでしょうが、5.15事件じゃありませんが恐ろしいと思いました。さらに驚いたことには、かっての盟友の私信の暴露に及びましたが、いかに政治の世界の話だとはといっても、私は子どもには見せたくないと思いました。政治家の皆さん方、これあたりまえの世界ですか?

 以上の問題について関連サイトを探していたら、山本七平の「正義論」を引用したサイトが見つかりましたので、紹介しておきます。また、同郷の県会議員中野廣明氏のこの問題に関する「私の主張」も適切な意見だと思いましたので、併せて紹介しておきます。戦前の日本における政党政治をつぶした責任は、まさに政党政治家(鳩山一郎氏もその一人)が負うべきで(軍人は政治のプロでない)、そうした反省を踏まえるとき、この平和な時代においてさえ・・・と慨嘆せずにはおれません。なお私HP「山本七平学のすすめ」「気魄」という名の演技、もご覧下さい。

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コメント

CHRDさん、「空気の研究」をどのように読まれたのですか。

七平さんの 空気の研究 をてこに考察なされる
方が郵政、小泉改革 についての認識がマスコミ
が流す情報どおりなのに呆れております。

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