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2010年6月14日 (月)

小沢氏=「私は常に無私」と言う。「無私」は「無視」の間違いでは?

 小沢氏は、11日、和歌山県田辺市の熊野古道を歩いて軽く汗を流した後、記者団に「肉体的にも精神的にも辛抱強く頑張る。その先に大いなる希望、夢が実現できる」と、自らの境遇をだぶらせながら強調。一方で「私は常に無私。だから、ポジションとか何も固執しておりません」と語り、「一兵卒」として菅内閣を支える姿勢も示したそうです。また、自身と鳩山前首相の辞任については、「もうちょっと早ければ」と言いながら、「でも、鳩山さんと話してああいうタイミングになった。ぎりぎり、タイミング的にはセーフかな」と述べたといいます。

 6月1日の三者会談の後の小沢氏の憮然とした表情、それと対照的にサムアップサインを記者団に示した鳩山首相の明るい表情から推測すると、小沢氏と輿石氏が鳩山氏に辞任を迫ったのに対して、逆に鳩山首相は「政治とかね」の問題にけじめをつけるために、小沢氏に幹事長辞任を、また小林氏には議員辞職を求めたのではないか、というのが大方の見方です。しかし、以上の小沢氏の弁は、まるで両者が「無私の精神」で民主党のために合意したものであるかのように語っています。(もしそうなら、鳩山氏は国民を騙したことになる!)

 ネット上では、”小沢氏は果たして「無私」か?”ということが話題になっていますが、今月号の文藝春秋の松田賢弥氏の記事「小沢一郎が差配する使途不明99億円」でもわかるように、私はとても小沢氏が「無私」とは思えません。松田氏によると、小沢氏は、94年に自ら成立させた政治資金法改正で、政治家個人に入った政治資金の使途を報告する保有金制度を撤廃し、巨額な政党助成金を次の議員らに「組織対策費」として支出し、これによって使途を報告する必要のない多額の政治資金を捻出したというのです。

 その主な「組織対策費」の支出額ですが、米沢隆(新進党幹事長)4億1092万円、西岡武夫(新進党幹事長)29億8904万円、長野茂門(新進党参院幹事長・故人)1億800万円、野田毅(自由党幹事長)10億1348万円、藤井裕久(自由党幹事長)31億3623万円、山岡賢次(民主党財務委員長・国対委員長)17億310万円、佐藤泰介(民主党財務委員長)5億3000万円、輿石東(参院議員会長)4000万円、鉢呂吉雄(民主党選対委員長)1500万円、以上合計99億4577万円、となっています。

ところが松田氏がこれらの議員に事実を確かめたところ、そのほとんどが本人たちは受け取っておらずその使途も知らない、と答えたそうです。これは明らかに、政治資金の収支を政治資金収支報告書に記載することを義務づけた政治資金規正法の虚偽記載にあたるのではないでしょうか。

 さて、このような行為――立法府にあって法を制定する立場にある代議士が、初めからその法の立法趣旨に反する「抜け穴」を作っておく。その「法の不備」を使って、国民が気づかない内に、上記のような巨額の「使途を報告する必要のない政治資金」を作り出す、そんな、脱法的「錬金術師」のような行為――がはたして許されるでしょうか。それは立法府にあるものの国民に対する重大な裏切りだし、ましてこんな人が「私は常に無私」などと、よくもまあいえたものだと思います。

 さて、そのようなことで、今後の小沢氏の民主党内における去就が注目されているわけですが、それを予測する上で興味深い視点を提供しているのが、「極東ブログ」のfinalvent氏です。

2010.04.04
みんな亀井ポジションになりたい病(参照
(前略)
 「小沢氏は、民主党に固めた、いわゆる左派勢力を手放さない、民主党内の旧社会党的な勢力を見限るといったことはないと私は思う。小沢氏による輿石東参院議員会長の取り込み、端的に言えば、戦後左派的な政治勢力の飲み込みは、単に政局や権力闘争のための最適化ではなく、実際に小沢氏の内面はすでに、戦後左派的な政治理念、露悪的に言えば反米路線は、自身の政治理念と合流しているのではないか。私は戦後左派を飲み込む小沢氏の政治情念は、結局のところ、ナショナリズムなのだろうと思う。

 ナショナリズムというと、ネットなどでは、日の丸・君が代・靖国・反中国といったシンボルで表層に語られ、そのシンボルがいわゆる左派的なものを区別しているかに見える。だが、その実際的な政治の動きは、どちらも大きな政府を志向していくだけだ。

 その大きな政府は、「日本」という大看板ではないのかもしれないが、税を介した国家の機能の強化に集約されている。そして、税という国家システムによって守られた人々(公務員・公務員の外注産業・大企業組合員)が、その外部にある人にお慈悲を与えるという正義だけが許されている。税という国家システムから自立しようとする人を排除していく。

 この左派ナショナリズムが不安定な多党構造(あるいは大連立)のなかでマスコミを巻き込んで大衆迎合的な次の「正義」を作り出していくだろう。いや、すでに民主党は亀井静香金融・郵政担当相がそのポジションに立っている。このこと自体、すでに民主党が政策を堅持する政党としては終わっていることを示している。

 みんな亀井ポジションになりたい病にかかっているのだ、と、そう考えてみると、「わしらの党」(「立ち上がれ日本」のことで、与謝野氏が思想傾向を全く異にする平沼氏と合流したことのおかしさを指摘し、党名は「わしらの党」か「新老人の党」がふさわしいと言っています=筆者)も「みんなの党」もわかりやすい。政党だからどんな政策があるのかと考えると迷路にはまる。

 小沢氏の実力で民主党が、自民党時代のように無内容でも維持できたような維持の力学(左派の飲み込み)で成り立っているなら、そして首相というのがそうした党のいち調和機関でしかないなら、そのひび割れで小政党が、なんでもできるようになる。かつてこうした状況でなにが生まれたか歴史を学ぶものには恐怖を覚えるところでもあるが。」

 亀井氏については、菅首相に郵政改革法を参院でも強行採決させようとして失敗し、郵政改革担当大臣の職を辞任しましたが、なお、その後釜に自見自見庄三郎氏を据えて、参院選後の臨時国会での郵政改革法成立を図ろうとしています。しかし、「全国郵便局長側 国民新に8億円『露骨な利益誘導』指摘も」6月14日7時57分配信 産経新聞(参照)という報道もなされており、この問題は徐々に国民の関心を集めることになるでしょう。

 さて、小沢氏の今後の動きについてですが、finalvent氏は、小沢氏自身の思想的動向について「小沢氏による輿石東参院議員会長の取り込み、端的に言えば、戦後左派的な政治勢力の飲み込みは、単に政局や権力闘争のための最適化ではなく、実際に小沢氏の内面はすでに、戦後左派的な政治理念、露悪的に言えば反米路線は、自身の政治理念と合流しているのではないか。私は戦後左派を飲み込む小沢氏の政治情念は、結局のところ、ナショナリズムなのだろうと思う」と言っています。

 そして、「左派ナショナリズムが不安定な多党構造(あるいは大連立)のなかでマスコミを巻き込んで大衆迎合的な次の『正義』を作り出していくだろう。」そうした空気が醸成される中で、「首相というのがそうした党の一調和機関でしかないなら、そのひび割れで小政党が、なんでもできるようになる。かつてこうした状況でなにが生まれたか歴史を学ぶものには恐怖を覚えるところでもあるが」と言っています。

 戦前の昭和史において、「そのひび割れで小政党が」どのような政治状況を作っていったか、おそらくこの小政党とは、政友会と民政党がせめぎ合う中で、あたかも一政党の如く「政治宣伝」を行って満州事変を正当化し、「陸軍パンフ」を作って、日米戦争の歴史的正当性を主張した「軍部」のことを言っているのではないかと思います。そういえば、国民新党の亀井氏が、郵政票という実弾を持つ「軍部」に見えないこともありませんが・・・。

 しかし、昭和7年目までは、こうした潮流を止めようと命をかけた政治家がいました。浜口雄幸や犬養毅がそうであり、彼等はひるむことなくその時代の潮流に抗し続け、そしてテロにより命を落としました。今日の政治家には、テロの危険はほとんどありません。にもかかわらす、ただ郵政票がほしいというそれだけで、郵政改革の正しい方向さえ指し示せない。そんな彼等に、日本の文化的伝統を守り国益を守る外交交渉を期待するなど、どだい無理なことなのではないでしょうか。

*エントリー「小沢氏=『私は常に無私』とはおそれいる。『無私』とは『無思想』ということか」を標記の通り変更しました。(6/16)

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