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2014年5月10日 (土)

日本が今中国に対して出来ること、なすべきこと

憲法第9条第2項戦力放棄は敗戦後の日本が自らの手を縛ることで戦勝国の天皇制に対する疑念の回避と、戦後の東西対立が予測される中で日本が尖兵化される危険性を回避するため当時の幣原首相がマッカーサーの理想主義を利用して挿入したものです。

つまり、憲法第9条第2項戦力放棄条項はこうした敗戦後の日本を巡る特殊な歴史的条件の中で日本が自らの選択した、まさに"負けて勝った"日本外交の所産なのです。今日の護憲派は幣原のこうした外交的狡知を知らずそれが表向きの理想主義をから生まれたと思っている。そしてその理想を追求するためには日本の手を縛る必要がありそれが憲法第9条第2項戦力放棄条項だと考えるおめでたい人もいます。

しかし、この条項はそんな自虐的発想から生まれたものではなく、当時の他虐的国際社会の透徹したリアリズムの認識の中から生まれた歴史的産物なのです。憲法第9条第2項戦力放棄条項から真に学ぶべきものはその狡知です。

そこでこの狡知を今日どう働かすかということですが、まず、当時と今とでは歴史的条件がまるで違います。象徴天皇制下の日本の政治体制に不安を持っている国はほとんどありません。中国や韓国はそれを無理に日本軍国主義に結びつけようとしていますが、それは逆に両国の国内政治の不安をあらわすものです。

もう一つの戦後の東西のイデオロギー対立構造ですが、これは今日基本的には解消していて現存するのは中国の共産党独裁が行おうとしている軍事大国化の脅威です。こうした極東の政治状況にどう対応するかが今日の日本外交に問われているのです。

北岡氏も指摘していましたが、今の中国は戦前の日本が陥ったと同じような状況にあります。

自国軍事力への過信、単一イデオロギーへの固執、他国軍事力の軽視(当時は中国の、今は日本の、以下同じ)、他国ナショナリズムの軽視、他国の分断支配(日本が蒋介石を排除しようとした動機と同じ)、軍(あるいは共産党幹部)の既得特権の擁護、政府と軍の二元化、英米的世界秩序に対する対抗心などです。その上、日本に対するリベンジ意識もあるでしょう。

つまり、現在の中国は、戦前昭和の日本が置かれた国際的国内的政治状況と似た政治状況下に置かれており、軍事的な暴走をする危険性が極めて高くなっているのです。この暴発をいかに食い止めるか、そのためには、先に指摘したような暴走誘発条件を取り除く必要があります。

この場合日本にできることは、日本の軍事力とりわけ日本人の防衛意思を決して軽視させないこと。それにアメリカとの同盟関係の明示は不可欠です。それに日本の謀略的分断支配を許してはなりません。

中国や韓国はそのための方法として靖国神社問題や慰安婦問題を手段化して日本軍国主義復活を喧伝しているわけですが、先ほど述べたとおり、日本は戦後象徴天皇制下での平和国家としての実績を積み上げており、国際社会においてはその説得力の方が強いことは言うまでもありません。それをアメリカや欧米諸国と確認することが最近の安倍外交の成果でしょう。

問題は靖国神社の扱いですが、要はこれを国家神道的な性格のものから象徴天皇制に適合的な無差別の慰霊施設にすることが大切です。それによって戦後の国内の思想的分断状況を克服することができます。この意味で阿倍首相が靖国神社の鎮霊社に言及したことは重要です。この仕事を一歩進めて欲しいですね。

冒頭の最近の憲法解釈問題に戻るなら、憲法9条で日本の手を縛ったとしても、それが先に指摘したような中国の暴発誘発条件を除去する力にはなりません。逆ですね。

日本が中国に示すべきものは、かって蒋介石が日本に対して「敵か友か」で示した、お互いの主権を尊重し両国間の利害の対立をあくまで外交的に解決しようという提案、そうした国際秩序を守るという毅然たる態度です。

そうすることで中国は、先に指摘したような、自国軍事力への過信、単一イデオロギーへの固執、他国ナショナリズムの軽視、他国の分断支配の野望、軍(あるいは共産党幹部)の既得特権の擁護という国内問題に向き合わざるを得なくなるでしょう。

それが日本が中国に対して出来る最良のアドバイスだと私は思います。

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