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2021年7月12日 (月)

オリンピック「無観客」は世界からどう評価されるだろうか?

 今回の菅首相の「オリンピック無観客」の判断が正しかったかどうかの判定は、今後、日本におけるコロナウイルスによる死亡率がどれほど高まるかによって決まるだろう。

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日本全国のコロナによる死亡者数の推移
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東京のコロナによる死亡者数の推移(40代、50代の死亡者が増えてると言うが?)

新型コロナウイルス感染症対策分科会長である尾身会長は、2021年7月7日、“五輪無観客望ましい”と次のように述べた。

 「その上で「大会関係者を入れる必要が一部あると思うが、なるべく最小限にすることが、矛盾したメッセージを出さないために非常に重要だ」さらに「多くの人に感染をこれ以上拡大しないようにお願いしているところに、観客が入った映像が写ることで、矛盾したメッセージになる」(gooニュース)

 要するに、「無観客にしろ、入場している関係者の姿は自分たちの提言と矛盾するからテレビで見せるな!」という要求である。医療専門家として感染を抑える方策を提言するならまだしも、その政治的効果まで考え提言をするなど明らかに行き過ぎである。彼らの専門家としての判断が妥当であったか否かは、いずれわかることであって、その判定を待てばいいだけの話である。言うまでもなく、政治責任は政治家がとる。

 菅首相は、こうした提言を受けて「無観客」を選択したわけだが、この判断が政治家として妥当なものであったかどうかは、今後、厳しく問われることになるだろう。なにしろ、国内外の他の大規模イベントで「無観客」のものはほとんどなくなっているので、東京オリンピックの「無観客」が異常に見えてくるのは避けられないからである。

 とはいえ、この「無観客」を強硬に主張したのは、尾見会長以下医療専門家集団をはじめ、東京都の小池都知事、都民ファースト、共産党を中心とする野党、公明党、そしてそれに付和雷同するマスコミであったことを忘れてはならない。

 この間の経緯については高橋洋一氏は、yafoo news 7/12(月) 配信で次のように指摘している。

 「緊急事態宣言正式決定の前日の7日夜、小池都知事は「政府が4回目になる緊急事態宣言ということで、あすにもいろいろ手続きをすると伺っている。ここのところ感染者数の上昇が続いているので、これらの措置も必要な段階なのかなと思う」と、あたかも外部者のように答えていた(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210707/k10013125451000.html)。

 ところが、今回の緊急事態宣言を仕組んだ張本人は、小池都知事だ。

 小池都知事は、都議選の翌日の5日、自民党の二階俊博幹事長、公明党の山口那津男代表とそれぞれ面会し、五輪無観客の流れを作った。さらに、7日、小池都知事は政府分科会の尾身会長とも2時間近く会談している。(あるいは天皇陛下への工作も彼女?=筆者)

 都議選では都民ファーストへの応援演説こそしなかったものの、都民ファの大健闘を引き出したが、その都民ファは五輪無観客を公約に掲げていた。その都民ファが第一党こそ逃したが、大健闘で民意を得たといえるので、都議選の結果を引き下げて、自公幹部に五輪無観客へ訴えたのは効果的だった。

 そして、政府内での重要人物である尾身はかねてより五輪無観客を言っていたので、同氏も仲間にすれば、菅政権は五輪無観客にせざるを得ないとみたのだろう。この作戦はまんまと成功した。

 官邸の行動力が鈍っている時に、本来は、政府首脳が行うべき与党幹部等との面談を小池都知事がやってのけた。都議選敗戦のショックで官邸の行動力が鈍っているときに、小池都知事は精力的に行動した。

 しかも、五輪無観客や緊急事態宣言について、東京都は当事者であるので小池都知事が表に出てもいいはずがあえて水面下で行い、決して過度に露出していない。この政治的老獪さは驚くばかりだ。」

 これを「老獪」と言うべきか、「卑怯」というべきか迷うが、問題は、そうした政治的術策の目的は何かと言うことで、それが「いかなるもの」であるかということは、彼女の豊洲問題の処理過程を見れば明らかである。あの石原元都知事でさえ血祭りに上げられた。今度は菅首相が、彼女の「権力獲得の調略」の「生け贄」にされたわけである。他の勢力は、共産党を除き彼女の「おもちゃ」に過ぎない。

 問題は、なぜ。このような政治的操作が、小池にやすやすと出来るかと言うことだが、おそらく彼女は、日本人の「空気」支配と、それを生み出すベンダサンの「天秤の論理」に習熟しているということだろう。その操作の要諦は、「実体語」と「空体語」のどちらにも偏せず、その支点を跨ぐ位置に自分を置き、微妙にバランスをコントロールしながら、自分に有利な空気を醸成し、その空気に押される形で権力を握るというやり方である。

 この点、従来、政府のコロナ対策批判の急先鋒であった慶応大学の金子勝教授の方がはるかに正直である。氏は「ワクチン接種の効果か、65歳以上の感染者数は少ない。・・・重症化リスクの高い人からワクチンを優先せよ」(7/10(土) 20:00配信)と題して次のような投稿をしている。

 Q:テレビでは、「新型コロナ40代50代男性の重症化が目立つ」ことが強調されているが、コロナ重症患者を治療している東京医科歯科大学病院でのやりとりでは
――患者の傾向は?

40代50代の重症化が目立ってきています。都全体としても、ことしの2月、3月は、入院患者の3割ぐらいが65歳以上だったんですけど、今は5%程度に減っています。おそらく65歳以上の方のワクチン接種が進んだというバックグラウンドがあるんじゃないかと思います。

――重症化の40代50代とは?
男性の方が多くて、なおかつ、肥満傾向のある方です。体重が100キロ以上ある方ですとか。そういう方がやっぱりハイリスクなんだと思います。

 となっている。要するにワクチン打ってる世代の重症化が減り、打っていない40,50代の肥満傾向(100キロ以上?)の人の重症化が相対的に目立ってきたと当たり前のことを正直に言っているに過ぎないのである。

 こうした感染状況の推移について、評論家の門田隆将氏は、7月9日のツイートで次のように言っている。

 「全国の重症者は441(都は62)人で18日連続減。都の新規感染は822人だが90代1人80代4人に過ぎず死者激減。第5波の特徴は鼻水と頭痛。味覚障害もないとの報告も。若者に陽性者が増えれば高齢者ワクチンが進んだ今、集団免疫が近づく事も意味し、問題はない。誰か緊急事態宣言&無観客の意味を教えて欲しい。」

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 さて、これらの事実に照らして、先の尾見会長の提言ははたして妥当といえるか。

 7月11日には、毎日新聞の5人の記者による「異例続きの東京オリンピック 取材記者の覚悟」と題する記事が配信された。「五輪が映し出すのは資本の論理で暴走を続ける、いびつな世界そのもの」という内容だが、それは今回の「無観客」決定とは別個の問題であって、毎日新聞の「無観客」主張を正当化する根拠とはなり得ない。

 私自身は、オリンピックの内情のことは何も知らない。ただ、折角、古代ギリシャの「オリンピア祭典競技」に由来する、国際社会における国家間の緊張を和らげるための「平和の祭典」なのだから、また、アスリートの人生をかけた最高の晴れの舞台でもあるのだから、その趣旨に沿った運営がなされることを望みたいという、それだけである。

 そのような国際的一大イベントを、自らの熱意でもって東京に招致しておきながら、8年間という長い時間、労力と金をかけて準備してきたのに、また、アメリカの奇跡的ワクチン開発によってようやくパンデミックの終熄を見つつあるこの時期に、さらに、日本における感染状況がほぼ見通せるようになったこの時期に、なぜ、オリンピック批判をして「無観客」を正当化しなけらばならないのか。

 オリンピックに参加するアスリート達の気持ちを考えれば、これが、どれほど非情の仕打ちであるか判らないのだろうか。彼らにしてみれば、自分たちの頑張りが、日本人に勇気や感動を与えてこそ、日本でオリンピック開催する意味があるのに、喜んでもらうどころか、コロナをまき散らす元凶と迷惑視される。そんなことなら、東京でのオリンピックは中止にして欲しいと思うだろう。

 実は、これが、オリンピック反対派の狙いであって、その目的は、何のことはない、国内の「反政府運動を盛り上げる」ことであって、それが国際的にどのようなリアクションをもたらすかまるで考えていないのである。この視野狭窄は、戦前にも数多くの悲劇を生んできた。毎日新聞の百人斬り競争戦意高揚記事が、中国によって非戦闘員虐殺記事に「作り替え」られたのはその典型である。

 毎日新聞はこの記事について、いまだに「正当な取材だった」と強弁し、その罪を「やらせをさせられた」二少尉に転嫁したままである。朝日新聞に到っては、その中国の「作り替え」記事を事実と報道し、その虚構性が明らかとなるや、一転して、二少尉がやったのは「戦闘行為」ではなく「非戦闘員百人斬り競争」だったと、さらなる捏造記事をまき散らしている。

 慰安婦記事の捏造がばれるのに30年近くかかったが、この毎日、朝日の虚偽がばれるのに、どれだけの時間を要するだろうか。いずれにしても、こうした巨大マスコミに見られる報道における不誠実さと「まぬけさ」は、今回の東京オリンピック反対運動にも典型的に現れ、日本を窮地に陥れているのである。

 一方、菅政権は、こうした東京オリンピック反対派の「シナリオ」が読めなかった、その無能さが明らかとなるにつれ、今後、七転八倒することになるだろう。他方、こうした日本の危機管理能力の「ひ弱さ」の露呈によって失われた、日本の国際社会における信用崩壊をどう回復していくか、この問題は、日本の安全保障問題と絡んで、今後一大論争へと発展していくだろう。

 それにしても、この間に交わされたSNS上の意見を見ていると、これが日本人なのだろうかと、思わず絶句するほど、まさに小林秀雄の言う「怨望」丸出しの、救いようのない言説にあふれている。他国の開発したワクチンのおかげで、しかも、それをタダで政府から接種してもらい、命の危険から脱しながら、また、各種支援金で救われることも少なからずあったはずなのに、感謝のかけらもない。

 自国が、百年に一度というべき国難に直面しているのに、皆で知恵を出し合い、一致協力して国難を乗り切ろうという前向きの姿勢がまるで感じられない。まさに、今、SNS上で話題を集めているKK問題さながらの、餓鬼畜生の地獄絵がそこに展開されているのである。やはり、三島由紀夫の預言は正しかったかと、思うこの頃である。

 ところが、これだけ重要な「決定」がなされた直後なのに、マスコミ界には「気の抜けたような」雰囲気が漂っている。要求が実現したのだから歓声を上げて祝杯を上げてもいいのに、不思議な沈黙がそこにある。この沈黙は、空っぽのオリンピック会場と、国内外の盛り上がりを見せる他のイベント会場のコントラストの中で、行き場のない非難中傷合戦へと発展していくだろう。

 そんなことにならず、尾見会長が予測した通り「無観客」で良かったね、といえる日がやってくればその方がいいと思うが、客観的なデータに見る限り、私は、そうはならないのではないかと危惧するのである。もし、私の予測が間違っていたら、その時は謝るほかないが、日本のためにはその方がいいわけで、一個人がつべこべ言い訳することではないと思っている。 以上

 

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